古材について

古材を使用するメリットは何?古材の種類も解説

2025年10月8日

古材を使用するメリットは何?古材の種類も解説

古民家の解体やリノベーションで注目を集めている「古材(こざい)」。
近年では、新築や店舗デザインにも積極的に取り入れられ、古材ならではの温もりや味わいが再評価されています。
実は、古材は見た目の魅力だけでなく、強度・健康・環境の面でも多くのメリットがある建材です。

この記事では、古材を使うことで得られる利点と、代表的な古材の種類や特徴を詳しく解説します。
「古材ってどんな木?」「新材とどう違うの?」と疑問に思っている方も、この記事を読めば古材の魅力をしっかり理解できます。

古材を探している・調べているという方は、ぜひ参考にしてみてください!

古材とは?

古材(こざい)とは、古民家や古い倉庫などの解体時に取り出された木材のことです。
従来は廃材として処分されることも多かったのですが、近年ではその価値が見直されて再利用の動きが広がっています。
特に、長年使い込まれた木材が醸し出す味わい深い風合いが人気を集めており、住まいや店舗のインテリア素材として古材を取り入れるケースが増えています。
では、古材を活用することでどのような利点があるのか、また古材にはどのような種類があるのかを解説します。

古材を使用するメリット

古材には、新材にはない様々なメリットがあります。ここでは代表的なメリットを4つ紹介します。

  • 新材より頑丈で長持ちする
  • 唯一無二の風合い・デザイン性がある
  • 健康に配慮した素材である
  • 環境に優しい(エコでサステナブル)

新材より頑丈で長持ちする

「古い木材は劣化して弱いのでは?」と思われるかもしれませんが、実際には長年自然乾燥が進んだ古材は一般的な新材より強度が高い傾向にあります。
時間をかけて木材内部の水分が抜け、狂い(歪み)が生じにくくなっているため、むしろ安定した材質になっているのです。
また自然乾燥のおかげで木材中の油分が適度に残り、強制乾燥の新材より艶や弾力が保たれやすいという利点もあります。
品質管理された古材であれば、安全性・耐久性の面でも安心して利用できるでしょう。

唯一無二の風合い・デザイン性がある

古材が注目を集める最大の理由が、この独特で味わい深い見た目にあります。
長年自然に風化した古材の表情は、新しい木材には出せない深みや温もりがあり、人工的には再現できません。
木目の色合いの変化や、かつて建材として使われていた頃の釘穴・ほぞ穴、傷跡なども含めて、古材ならではのヴィンテージな雰囲気を醸し出します。
和風モダンからカントリー調まで幅広いインテリアスタイルと相性が良く、空間に唯一無二の個性を与えてくれる点も魅力です。
使うたびに古材の持つ歴史に思いを馳せることができ、愛着が増していくという楽しみもあるでしょう。

健康に配慮した素材である

古材は基本的に無垢の天然木材であり、接着剤や防腐剤などの化学物質を含まない点もメリットです。
新建材の合板などには接着剤や塗料由来の化学成分が含まれることが多く、シックハウス症候群の原因になる場合があります。
しかし古材は長年使用されてきた天然木ゆえに有害物質の心配が少なく、身体に優しい住環境づくりに役立ちます。
小さなお子さんや敏感な方がいる家庭、健康志向の施設などでも安心して取り入れやすい素材と言えるでしょう。

環境に優しい(エコでサステナブル)

古材の活用はそのまま環境への配慮につながります。
従来は廃棄されていた木材を再利用することで、建築廃材のゴミを減らし、処分や焼却に伴う温室効果ガス排出の抑制にも貢献できます。
さらに、新たに木を伐採せずに済むため森林資源の保全にもつながります。
こうした理由から、古材は持続可能な開発目標(SDGs)にも合致したエコな建材として注目されています。
古材を使うことは、味のある空間を演出しながら地球環境にも優しい選択と言えるでしょう。

古材の種類

古材と一口に言っても、使われていた樹種や部位によって様々な種類があります。
それぞれ木材の特徴や風合いが異なり、用途やデザインに合わせて選ぶ楽しみがあります。
ここでは代表的な古材の種類(樹種)とその特徴を紹介します。

杉(スギ)

杉は日本国内で最も多く利用されてきた木材の一つで、古材としても幅広く活用されています。
軽くて加工しやすい割に適度な強度と耐久性を持つため、建築材や家具材として高い人気があります。
長年使われた杉材には独特の木目の美しさが現れ、時間経過とともに深みを増す色合いも魅力です。
さらに杉は調湿性にも優れており、室内の湿度を調整して快適な環境を保つ働きも期待できます。
古材となった杉板や梁を再利用すれば、自然な風合いと温かみのある空間を演出できるため、住宅の内装や店舗のインテリアにも積極的に取り入れられています。

松(マツ)

松は粘り強さと柔軟性を兼ね備えた木材で、古材としても重宝されています。
海外では「パイン材」として親しまれ、特にアメリカやヨーロッパではヴィンテージ家具や古材フローリングとして人気が高い樹種です。
松の木は油分を多く含むため、乾燥しても割れにくく長期間使用することで飴色に変化していくのが特徴です。
木目がはっきりとしてナチュラルな温もりを感じられる見た目も魅力の一つであり、経年変化による色艶も楽しめます。
構造材から家具材まで幅広く再利用される万能な古材と言えるでしょう。

欅(ケヤキ)

欅(ケヤキ)は日本を代表する広葉樹の一つで、古材になったものも高い価値を持ちます。
ケヤキは非常に強度・耐久性に優れ、衝撃や摩擦にも強いため、古くから寺社仏閣の建築材や高級家具材として重宝されてきました。
磨けば木目がガラスのような美しい光沢を放つことから、和箪笥やテーブルなどに使われると気品ある仕上がりになります。
新材にはない重厚感と風格を備えており、時を経るほど色合いに深みが増すため、古材として再利用しても高級感のある空間を演出できます。
和モダンなインテリアや重厚な雰囲気を出したいリノベーションに適した古材です。

その他の古材の例

上記以外にも、古材として利用される樹種はいくつかあります。代表的なものを挙げると次の通りです。

  • 桜(サクラ)
    観賞用のイメージが強い桜ですが、品種によっては立派な木材として古材に利用されることもあります。
    桜材は美しい褐色〜赤褐色の色味と桜特有の上品な香りが魅力で、肌触りも良いため高級家具に使われることもあります。
    ただし桜の古材は流通量が少なく非常にレアなので、もし出会えたらぜひ活用してみたい貴重な素材です。
  • 栗(クリ)
    栗の木は耐湿性が高く耐久性に優れ、特に古くから住宅の大黒柱や土台に使われてきた実績のある木材です。
    実際、縄文時代の遺跡(青森県・三内丸山遺跡)から約4,200年前の栗材が良好な状態で出土しており、その頑丈さが証明されています。
    長い年月を経ても腐りにくく、重厚で艶のある木肌も栗古材の特徴です。
    古材として再利用すれば、空間に力強く素朴なアクセントを加えることができるでしょう。

まとめ

古材を活用することで、強度や味わい深さといった実用性・デザイン性の両面で多くのメリットが得られます。
環境負荷の低減や健康面への配慮にもつながり、新材にはない価値をもたらしてくれる素材です。
さらに古材は一つひとつ表情が異なり、同じものが二つとないため、使うほどに空間に深みと個性が生まれます。
経年美を備えた古材との一期一会の出会いをぜひ大切にし、住まいや家具づくりに取り入れてみてはいかがでしょうか。

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