古民家を手放したり、リフォーム・建て替えを検討する際に悩むのが「解体」と「古材(こざい)買取」の手続きです。
「同じ業者にまとめてお願いできるの?」「古材って本当に売れるの?」と疑問を持つ方も多いでしょう。
この記事では、古民家解体と古材買取を一括で依頼するメリットや注意点、おすすめの業者に加え、実際の流れまでわかりやすく解説します。
古民家解体と古材買取、両方頼める業者はある?

古民家解体と古材買取について、両方頼める業者はいますが多くはありません。
理由としては、古材を買い取った場合に保管しておく倉庫が必要であるため、資金力のある業者以外は難しいです。
一方で、古材買取だけをしている業者もあり、解体は別の業者に依頼し買付をしてから販売をするケースです。
それぞれ違いがあるため、以下で詳しく解説していきます。
古民家解体業者と古材買取業者の違い
まず理解しておきたいのが、両者の役割の違いです。
- 古民家解体業者:建物の取り壊し・撤去を担当。重機を使った解体作業や、基礎の撤去、廃棄物処理を行います。
- 古材買取業者:解体で出た木材や梁(はり)・柱などを査定し、再利用できるものを買い取る専門業者です。
従来は別々に依頼するのが一般的でしたが、近年は**「解体+古材買取」をセットで受ける会社**も増えています。
同時に依頼できるケースとできないケース

同時に依頼できる場合
木材の価値を見極めながら解体する「手ばらし解体(手作業で部材を取り外す方法)」を行う会社。古材を傷つけず再利用できる形で取り出してくれるのが特徴です。
分けた方が良い場合
建物が大規模・老朽化している場合は、重機を使う解体が中心になり、古材を残すのが難しいケースもあります。その場合、買取業者を別に呼ぶ方が効率的です。
解体と買取を同時に依頼するメリット

同時に依頼するメリットとして、以下の3つが挙げられます。
- コストを抑えられる
- 古材の価値を最大限に活かせる
- 責任の所在が明確になる
コストを抑えられる
別々に依頼すると発生する運搬費・管理費などをまとめられます。解体費用から古材買取分を相殺できる場合もあります。
古材の価値を最大限に活かせる
最初から古材を再利用する前提で解体が進むため、梁や柱などの「高価値部材」が壊れにくくなります。
例えば、藤原建設は50年以上木と向き合い、寺社仏閣の工事もしてきたことから古材の価値を理解しているためお客様にご満足いただける施工をいたします。
責任の所在が明確になる
「どこまでが解体業者の仕事で、どこからが買取業者の責任か」といったトラブルを防げます。その分、業者は丁寧に対応してくれるため安心して任せられるのもメリットと言えるでしょう。
依頼前にチェックしたい業者選びのポイント

業者を探していて、何社か候補が出た場合に注意しておきたい業者選びのポイントをお伝えします。
許可・資格の有無
解体を依頼する業者には、建設業許可または解体業登録が必要です。
また、古材を運搬・処理する場合には産業廃棄物収集運搬業の許可も求められることがあります。
古材・古家具を販売する場合、古物商許可証も必要になるため未所持の業者には注意しましょう。
実績と口コミを確認
「古民家解体の実績があるか」「古材再利用を行った事例があるか」を確認しましょう。
施工事例写真や口コミサイト(Googleレビューなど)をチェックすると信頼度が見えます。
査定基準を明確にする
古材買取の査定は以下の要素で決まります。
- 樹種(ケヤキ・ヒノキ・スギなど)
- 長さ・太さ・反り・割れの有無
- 加工しやすさ・釘抜きの状態
査定方法や引取条件を明確にしておくと、後のトラブルを防げます。
見積書の内訳を確認
見積書には「解体費用」「古材搬出費」「買取額」「処分費」などを明細化して提示してもらいましょう。
おすすめの業者
会社名 | 所在地 | 特徴・強み |
---|---|---|
藤原建設株式会社 | 兵庫県三木市 | 解体から古材回収・販売までワンストップ対応。 公式古材オンラインショップ「WOOD OFF」も運営。 |
尾上組 | 兵庫県神崎郡福崎町 | 解体+古材・建具の買取に対応。記念品への加工も可能。 |
古木屋 | 大阪府富田林市 | 古材鑑定士が在籍。解体と査定を同時進行できる。 |
古材.com | 大阪府大阪市 | 古材の単価を明示。梁・床板など状態別に査定対応。 |
解体から買取までの流れ
- 現地調査・見積もり依頼
建物の構造・材質・老朽化状態を確認。古材が再利用できるかを判断します。 - 近隣対応・許可申請
解体前には「建設リサイクル法」に基づく届出や、近隣挨拶を行います。 - 解体作業(手ばらし解体)
手作業で梁や柱を外し、再利用できる部分を慎重に取り出します。 - 古材の選別・査定
取り外した木材を種類・状態ごとに分け、価値を査定します。 - 買取・清算
査定額に応じて買取または解体費用から相殺。残材は産業廃棄物として処理します。
古材買取に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 古材って全部売れるの?
→ いいえ。湿気や虫食い、腐食がある場合は再利用できないことがあります。査定時にプロに確認してもらいましょう。
Q2. 古材を再利用したい場合、自分で保管できる?
→ 可能です。ただし、保管環境に湿気が多いと腐食します。屋内や倉庫保管が安心です。
Q3. 解体した家の梁を記念に残したい
→ 一部の業者では、梁や柱を加工してフォトフレームやテーブルに再生するサービスもあります。
古民家解体と古材買取は「セット依頼」が賢い
古民家を壊すだけでなく、建材としての価値を再利用することは、費用削減にも環境配慮にもつながります。
兵庫県では、古材回収を前提に丁寧な「手ばらし解体」を行う業者が増えています。
- 古材の価値を理解してくれる業者を選ぶ
- 契約前に査定条件と責任範囲を明確にする
- 地元密着の信頼できる会社に相談する
この3点を押さえれば、古民家の思い出を大切にしながら、ムダのない解体・買取が実現できるでしょう。